昨年の残響祭でノンプロモーションながら話題をかっ攫ったノルウェーの４人の美しき悪魔達。突如として雪崩のように急襲するギター。その変幻するギターに呼応した変則的なテクニカルなリズム隊によって激しく荒れたゲレンデを、時にファルセットを交えて言葉巧みにサーフィンする妖しく輝くハイトーン・ヴォーカル。不規則に彩られた足場の悪い中で攻撃的な手を緩めずとも、高い美意識で奏でられるメロディの確りと太い支柱は揺るがない。あらゆる音楽ジャンルを横断しても、彼らのディフォルメされた美麗な個性が失われない理由を物語っているのである。
「Susurrus」ではドラマティックなMUSE、「Plastik」や表題曲「Flux」ではMars Volta,Toolなどのモダンなプログレッシヴ・バンドとも比較されることもあるだろう。しかしセクシーな疾走感とグラマラスなポップネスで惹きつけ、同時に知的でダークなグルーヴを兼ね備えた彼らは、前述したバンドとのベクトルとは別、というよりもその真ん中に堂々と鎮座する。つまり準備万端。正真正銘の秘密兵器がヴェールを脱ぎ、刺激を求める貪欲なリスナーに照準を定め、そんな彼らの脳天を直撃させるため、残響レコードは遂に投下のスイッチを押す。
[TRACK]
1. PLASTIK
2. GOTODO
3. CHRYSALIS (日本盤限定 収録曲)
4. I AM THAT I AM
5. DISCONNECTING FROM THE GRID
6. KNEEL ESTATE
7. OXYGEN (日本盤限定 収録曲)
8. LOOPWHOLE
9. POWER IS SO YESTERDAY
10. PERSPECTIVE PLEIADIAN
11. FLUX
12. SUSSURRUS
13. ABDOMENTAL
FLUX